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第43話 その質問は、誰のためですか③

Author: 花柳響
last update Petsa ng paglalathala: 2026-06-27 18:00:38

 拾えば、またあの夜の床に戻される。私はもう、そこに膝をつくためにここへ来たわけではなかった。

 律の車椅子が壇上の光を受け、足元の金具だけが鈍く光った。

 会場の空気が、今度こそ変わった。

 誰かが未央を見る。

 未央はすぐに笑顔を作った。

「それ、私じゃありません。……そんなこと、するわけないでしょう」

「まだ、誰の投稿かは申し上げておりません」

 相良さんの返答は淡々としていた。

 短いのに、未央の足元をすくうには十分だった。

 司が未央を見る。

「未央」

「違うって言ってるでしょう」

 今度の声は、わずかに高かった。

 年配の理事の女性が、穏やかな顔のまま口を開く。

「如月様。ここは、支援を必要とする方々のための席です。どなたかの過去を裁くための会ではございません」

 未央の笑顔が止まった。

 言い返せない相手だった。

 財団理事。榊家側の重鎮。けれど声は柔らかく、怒りではなく
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